けものフレンズ2騒動まとめ - ライセンサー問題

ライセンサーとは

ライセンサー(実施許諾者):特許ライセンスを供給する側(商標権者、著作権者等の権利者等)
ライセンシー(実施権者):特許ライセンスを受け取る側(グッズ販売する業者)
参考:わかっちゃう!知的財産用語 初心者でも簡単!ライセンスビジネスを始めよう

ライセンサーは製作委員会や制作会社等の制作する側、ライセンシーは商品販売を行う側。
例えば桶屋がサーバルのイラストが描かれた桶を販売する場合、けものフレンズプロジェクトに無断で販売すると著作権侵害となる。
桶屋がけものフレンズプロジェクトの窓口企業と交渉してライセンス契約を結び、許諾権者にライセンス料を支払う事で合法的にサーバル桶を販売する事が出来るようになる。
今回の場合ヤオヨロズがライセンサー、桶屋がライセンシーとなる。
別企業がライセンサーとなっている場合で制作会社が製作委員会と独立してグッズ展開でも行わない限りは、制作会社はライセンシーではない点に注意

・図による解説


・追記
調べた結果、出資した製作委員会参加企業でなければ許諾権者として許諾権益を得る事は出来ない模様。
但し、製作委員会から(審査や権利調整を含む許諾の実施の)委任を受けライセンサーとなり版権をコントロールする事は可能。
委任を解除するには製作委員会の満場一致が必要になるが、ヤオヨロズ系列のジャストプロが1期の製作委員会にいたのでまず不可能。


問題の流れ

2020年2/8
有志によりKFPAのライセンサーがヤオヨロズである事が発覚。
9.25『けものフレンズ』たつき監督降板問題で新事実が判明 「KFPA」のライセンサーはヤオヨロズだった
Anime Chara DB:アニメ(その他)
Anime Chara DB:アニメ(TV)
JACC®サーチ:けものフレンズ

  
(c):けものフレンズプロジェクトAのライセンサーがヤオヨロズ、
(c):けものフレンズプロジェクトの製作ライセンサーがけものフレンズプロジェクトA、アニメーション制作はヤオヨロズとなっている。
著作権表記が(c)KFPAであればライセンサーはヤオヨロズ、(c)KFPであれば製作委員会のいずれか(JRAや日清とのコラボで窓口を担っていたKADOKAWA?)になるのではないかと考えられる。


因みにけもフレ2のコピーライトとなるKFP2Aのライセンサーは、アニメ制作会社のトマソンではなくKADOKAWAとなっている。
2期は放送が3か月前倒しになったという話がある程に制作時間が少なく、吉崎観音が元から作っていたあり合わせの設定を継ぎ接ぎして作成した為著作権者がトマソンではなく吉崎観音を使役する形になっているKADOKAWAになっているのでは、という意見もある。
判明している事実だけでは詳細は不明。


2/14
アニメ(その他)のページが削除されいている事が確認される。
アニメ著作権関連情報のデータベースサイトから「ライセンサー名 ヤオヨロズ」と表記されていた「アニメ(その他)けものフレンズ」のページが削除される
アニメ著作権データベースサイトの「アニメ(その他)けものフレンズ」ページの削除はミスではなく明確な意思をもって行われた模様


数々の陰謀論の他、アニメ(その他)自体が記載ミス等だった可能性もあるかもしれない、とも思われたが・・・


2/15
有志によるお問い合せの結果、アニメ(その他)はJ-LOP4という補助事業の申請内容を転記であり、情報の掲載ミス等ではないという返答を受ける。
ここでけものフレンズが政府の補助金を受けていた事が発覚。
アニメ著作権関連情報データベースサイトに登録されているアニメ『けものフレンズ』の情報についてのお問い合わせに対する返信メール 『けものフレンズ』は国から海外展開の補助金を受けていた?

  
アニメ(TV)がアニメ放送時、アニメ(その他)がJ-LOP4事業申請に用いる為のページだった模様。
アニメ(TV)についてはライセンサーをぼかしていたが、アニメ(その他)のJ-LOP4事業ではライセンサーの記入が必須だったのだろう。

2/20
有志によるお問い合せの結果、削除理由は関係社より掲載を終了する旨の連絡を受けた事、海外における展示会が終了している事もありDBから削除した事。そして[削除]と完全に消滅の違いは削除されるのが通常で、[削除]となっているページがシステムエラーで残っている事が確認された。関係社が求めた対応は「修正」ではなく「削除」であった。
アニメ著作権関連情報データベースサイトで「アニメ(その他)けものフレンズ」ページが削除された件についてのお問い合わせに対する返信メール
アニメ著作権データベースサイトの「アニメ(その他)けものフレンズ」ページ削除についてのお問い合わせ返信メール 海外の展示会について

 
つまり、KFPAのライセンサーがヤオヨロズである事は掲載ミス等ではなく事実であり、関係社が連絡してDBから消させた事になる。

J-LOP事業については状況から、ブシロードの海外イベントではないかと考えられている。
但し掲載を終了するの連絡を行ったのがブシロードなのかは不明。
【けものフレンズ】シンガポールで開催されたどうぶつビスケッツ出演「CharaExpo 2017」スペシャルステージが終了! 感想まとめ

補足:
アニメ(TV)のデータは、書籍「2017年アニメ全作品 年間パーフェクト・データ」の記載を元に作成。
「制作ライセンサー」となっている場合は制作会社を示す(製作委員会方式を取っていない場合など権利関係が煩雑なケースが多くライセンサーは制作会社に問い合わせて調べて欲しいという意味合い)。
アニメ(その他)は、J-LOP4の申請の転記であり、製作委員会側で作成したもの。こちらにはコピーライト表記もなされている。
KFPA自らがライセンサーがヤオヨロズであるとする証左であり、仮にヤオヨロズがライセンサーでなければ、補助補助事業への申請書類でライセンサーという重要な項目で瑕疵がある事になり、KFPの体制に不備があると言わざるを得なくなる。
因みに「2017年アニメ全作品 年間パーフェクト・データ」にもシリーズ構成・脚本を田辺茂からたつきに変更した旨が記載されている。


これにより17年6月頃から発生していた各所でのたつき絵から吉崎絵への書き換え及びKFPA→KFPの著作権表記の推移が権利の奪取と考えれば合理性が得られる事、9.27の公式サイトの降板に関する報告で、「情報共有や連絡がないままでの作品利用」という不自然な表現(権利侵害等の単語は使っていない)も合点がいく形になった。
福原Pの「権利を持っていない為儲かっていない」も、KFPに著作権を書き換えられると権利を持っているはずのKFPAのライセンス料が得られなくないので辻褄が合うし、
脱製作委員会方式を目指す彼が権利による収益を主軸にしていく為、格安で制作を請け負う代わりにライセンサーを自社とする契約内容にしたであろう事の察しが付く。
出資して製作委員会に参加していないと許諾権者となり許諾権料を得られない為、この部分については要検証。
但し、グッズものがライセンサーがヤオヨロズであるKFPAのものからKFPに推移していった事、ヤオヨロズ降板後のコラボがお世辞にも品行方正と言えない企業が多々ある事は事実である。

加えて報告では「けものフレンズプロジェクトA」名義となっているが、ライセンサーであるヤオヨロズ側の福原Pと主張が対立しており、公式サイト管理人(AGNの加藤代表)側で作成していると考えられる。「アニメけものフレンズの製作委員会」というスタンスで使っていると思われるが、私文書偽造の可能性もある。

参考

「今後も『けものフレンズ』の世界は広がっていく」――福原慶匡P×テレビ東京細谷伸之Pインタビュー!
アニメDB以外でヤオヨロズがライセンサーと考えられる根拠。
福原Pが「版権イラストやグッズの監修などが一斉に動き出しています。」と述べている。
ライセンサーでなければこのような仕事が発生するとは考えにくい。

小学館ライセンスビジネスサイトのよくあるご質問
Q.監修とは何ですか?
A.商品やキャンペーン、イベントにキャラクターを使用するにあたり、使用方法やデザイン等が適切かどうかのチェックをする作業のことです。
 商品や宣伝広告物問わず、キャラクターを使用しているもの全てにおいて監修が必要になります。


けものフレンズのコピーライト関係で特に特徴的な「KFPA」から「KFP」への表記書き換え


9.25の後でも一部にKFPAの商品が残っている。
乗っ取り漏れや早い段階で企画が決定していたのか、けもフレ2炎上後に失権して使用可能になったのか等は不明。

『けものフレンズ』のクリスマスケーキ2019が発売決定

(c)けものフレンズ2A及び(c)けものフレンズ2Gとなっているが、内藤隆描き下ろし及びけもフレ3のイラストとなっている。
けものフレンズ2AのライセンサーはKADOKAWAである為吉崎観音イラストで何ら問題なく、アニメ製作委員会からしてもアニメ寄りの方が都合が良いはず。裏事情は不明。

考察動画。KADOKAWAがヤオヨロズに加え、テレ東の干渉を受けないようにする為にアニメ以外のカテゴリを作ったのではという冷奴。
ライセンス関連で揉めたというリーク情報が、2018年の時点で挙がっていた。
けものフレンズ 1866匹目 (ID:l+RRO8Lpd)。
真偽の程は不明だが、ヤオヨロズがKFPAのライセンサーである事やKFPA→KFPの著作権表記書き換えを踏まえれば、クロスライセンス契約持ち掛け等の信憑性はそれなりに高いと言える。

2期にヤオヨロズが出資して製作委員会入りしていたと仮定すれば、後乗りで製作委員会入りするケースは少ないのに穴埋めするかのように2期で松竹・白組・SEGA、
加えて制作会社であるトマソンが製作委員会入りしている事に辻褄が合うようにも思えてくる。

吉崎観音の関与

『けものフレンズ』の吉崎観音総監督が著作者人格権保持者として「けものフレンズIP著作物の使用許可を出した」実例が発掘される


単純な使用許諾であれば「吉崎観音個人のイラストを個人で許可した」というギリギリの言い訳が可能と思われるが、「(c)と作品タイトルは添えてもらえると嬉しいです」と発言している為、「けものフレンズ」という作品に対する氏名表示権及び公表権を個人のツイートだけで許可した根拠となる。
これが著作者人格権を保持している証拠であり、仮にそうでなければ製作委員会側が何ら咎めない事はIPとしての不備があると言わざるを得ない事になる。
度々問題となるばすてきも、アニメのライセンサーがヤオヨロズであり、吉崎観音がたつき監督に制作を許諾するツイートが残っている為、何ら問題はない事になる。
時期的にもほぼ同時なのに片方はなんら問題なし、もう片方は監督降板という制裁を受けるのは矛盾しており、下請法違反・独占禁止法違反疑惑に回帰する事になる。

コミティアで販売している「きょうびのいろどり」は”けものフレンズのラフ画没画集”
コミティアのサークル販売物規定
【けものフレンズ】コミティア121が開場 たつき監督率いるirodoriの頒布物は「こないだの仕事」と「きょうびのいろどり」等
ばすてきに問題点を見いだせなくなると、今度は2017年5月のコミティアの冊子が著作権表記もなかった為問題になったのではという声が挙がった。
販売物規定では「作者本人、もしくは所属するサークルが出展する場合にオリジナル作品として販売が可能」となっており、規定違反にはなっていない。
配られた冊子はラフ画没画集であり、白水優子が作成した美術画である事が明白である為(加えて「けもフレ」の文字もない模様)、著作権侵害とは言い難い。
KFPが著作権を得られるのはあくまでヤオヨロズに発注した「納品物」のみで、制作段階での没画に対する権利までは有さない。
仮に問題があったとしても、8月になってから降板の理由に使うのはこじ付けと言わざるを得ない。

又、KFPA→KFPの著作権表記書き換えについては、製作委員会側のみでは合理的な理由を作成するのが困難と思われるが(ライセンシーとなるグッズ販売店側に売れるのが分かっている企画をボツにする理由を説明出来ない)、著作者人格権を保持していると思われる吉崎観音が関与すれば、同一性保持権を理由にたつき監督デザインのグッズを合法的にボツにし、吉崎デザインにしてKFPに書き換える事が可能になったであろう事が予想される。